財務省のセクハラ問題に関する合同ヒアリングで、財務省などの担当者ら(奥)に質問する野党議員ら(手前)=27日午後0時6分、国会内、岩下毅撮影
女性記者にセクハラ発言を繰り返したと報じられて辞任した財務省の福田淳一・前事務次官について、財務省は27日、減給20%、6カ月の処分相当とすると正式に発表した。処分に基づき、退職金は5319万円から141万円を差し引き、5178万円になるという。矢野康治官房長は会見で「これを持って調査は終了する」と述べ、セクハラ報道に関する調査を打ち切る方針を示した。追加の調査は考えていないとしている。
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テレビ朝日は4月4日に女性社員が福田氏と面会した際にセクハラを受けたとしており、財務省は福田氏から明確な反証が示されていないことも考慮し、「セクシュアル・ハラスメント行為があったとの判断に至った」としている。
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財務省の福田淳一・前事務次官が女性記者にセクハラ発言を繰り返したと報じられた問題をめぐり、財務省が27日午後に開いた記者会見で配られた文書は以下の通り。
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福田前事務次官に対する処分について
1、財務省は、福田前事務次官(以下「福田氏」という)に関する週刊新潮の報道を受けて、4月16日に「福田事務次官に関する報道に係る調査について」等を公表し、弁護士に委託して、福田氏に対する調査等を進めてきた。
2、そうした中、4月19日、株式会社テレビ朝日から、福田氏から同社女性社員に対するセクシュアル・ハラスメント行為があったと判断した、とする発表があり、同社から財務省に対して抗議をいただいた。
同社の記者会見においては、本年4月4日夜の福田氏と同社女性社員との1対1の飲食の機会にセクシュアル・ハラスメント行為があったと同社として判断していることが、明らかにされている。
3、財務省としては、可能な限り詳細な事実関係を把握する必要があると考え、株式会社テレビ朝日にもご納得いただけるやり方でお話をきちんとうかがわせていただきたいとお願いをしたが、同社からは、4月20日に、今後慎重に検討する旨のコメントがあり、また、4月24日には、財務省が委託する弁護士に対し、財務省と当該弁護士との関係性等に関する詳細なご質問をいただいている。
4、このように株式会社テレビ朝日は、被害者保護の観点から財務省の調査への協力に対して慎重姿勢をとられているが、他方で、調査に時間をかけすぎることも被害者保護上問題であるため、福田氏から特段の反論・反証がない限り、財務省としては、同社が記者会見で明らかにした内容を前提として事実認定を行うこととした。
5、4月26日に財務省が委託する弁護士から受けた報告によれば、福田氏は、当該弁護士による複数回にわたる聴取に対して、セクシュアル・ハラスメント行為を否定する一方で、本年4月4日夜に株式会社テレビ朝日の女性社員と1対1の飲食をしたことは認めており、また、同社が記者会見で明らかにした内容を覆すに足りる反論・反証を提示していない。
6、以上のことから、財務省としては、福田氏から株式会社テレビ朝日の女性社員に対するセクシュアル・ハラスメント行為があったとの判断に至った。
この行為が財務省全体の綱紀の保持に責任を負うべき事務次官によるものであり、結果として行政の信頼を損ね、国会審議等に混乱をもたらしていることも踏まえれば、福田氏の行為は、在職中であれば「減給20%・6月」の懲戒処分に相当していたものと認められる。