内戦が続くシリアで先月29日、中部ハマ県と北部アレッポ県のアサド政権軍の複数の施設がロケット攻撃を受けた。シリア国営通信が報じた。在英NGO「シリア人権監視団」によると、少なくとも26人が死亡。大半はイラン人で、政権軍を支援するイランの民兵が含まれているという。
国営通信によると、ロケット攻撃があったのは29日午後10時半ごろで、誰が攻撃したかについては特定していない。
イランは同じく政権軍を支援するレバノンのシーア派武装組織ヒズボラを支援するため、シリアで軍事拠点を構築しているとされる。対立関係にあるイスラエルはこうした動きに神経をとがらせている。
イランの外交政策を統括する最高安全保障委員会のホセイニ報道官は30日、攻撃がイスラエルによるものだったとし、「イランはイスラエルの犯罪に対抗措置をとる」と批判した。イスラエル側はコメントしていない。
4月9日にシリア中部ホムス県の政権軍基地が爆撃を受けた際には、シリア国営通信が政権軍筋の情報として、「イスラエルの空爆だった」と報じている。(イスタンブール=其山史晃、アンマン=杉崎慎弥)