大連の港に停泊していた中国初の国産空母。試験航行を前に、備品の積み込みなどの準備作業が行われていた=9日、中国遼寧省大連、平賀拓哉撮影
中国初となる国産空母が13日、遼寧省・大連の港を出港し試験航海に出た。国営新華社通信などが伝えた。中国海軍の空母としては、旧ソ連の空母を改修して配備した「遼寧」に続く2隻目。今後、さらに試験航海を続け、2020年ごろの就役を目指す。
中国中央テレビによると、国産空母は同日午前7時ごろ、造船所の港をゆっくりと離れた。昨年4月に進水した後、レーダーや通信システムなどの設備取り付け作業を続けてきた。今年4月下旬以降は遼寧海事局が航行禁止を繰り返し通知し、出港に備えていた。
国防省などによると、国産空母は全長315メートル、幅は最大75メートル。排水量は約5万トンで、動力は原子力ではない通常型を採用した。スキージャンプ方式の飛行甲板など基本設計は「遼寧」とほぼ同じだが、設計から部品調達、建造までを全て国内でまかなった。中国メディアによると、遼寧に比べ、戦闘機の搭載能力などを向上させたという。
中国は3隻目となる空母も上海で建造している。さらに、国有造船企業が原子力空母の開発計画を公表するなど、海軍力の増強を進めている。空母を常に海洋展開させるためには3~4隻態勢が必要とされ、中国は2030年ごろまでに実現を目指す構えだ。(北京=冨名腰隆)