会談に臨む自民党、公明党、日本維新の会、希望の党の働き方改革関連法案の実務者ら=2018年5月21日午前9時59分、国会内、岩下毅撮影
働き方改革関連法案をめぐり、与党の自民、公明と野党の日本維新の会、希望の計4党は21日、「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」を適用された人が撤回する手続きを定めることを柱とした法案の修正で実質的に合意した。これを受け、与党は想定するスケジュール通りに、23日にも衆院厚生労働委員会で採決する構えだ。
4党の実務者が21日午前、国会で協議してまとまった。各党が党内手続きを終えた後、同日夕方に正式に発表する見通し。
高プロは、年収の高い一部の専門職を労働時間規制から完全に外す制度。法案では、適用には本人の同意が必要だと定めているが、いったん適用された後に撤回するための規定がない。高プロを「残業代ゼロ法案」と批判する立憲民主党など主な野党は「法案の不備」と追及し、法案からの高プロの削除を求めている。
今回の修正は維新が求めていたもので、与党側には、一部野党が要求した修正に応じることで法案への賛成を取り付け、強行的な採決との印象を薄める狙いがある。また省令でなく法に明記することで、労働者保護に取り組んでいるとの姿勢を強調したい考えだ。
修正協議ではほかに、残業時間の罰則付き上限規制の導入に関連して、中小企業の意見を反映するための協議会を設けることも決めた。協議会は中小企業や労働団体、地方自治体の関係者らでつくる。維新が「中小企業の不安が強い」と主張していたことを受けたものだ。(松浦祐子)