女性と政治をめぐる主な動き
参院内閣委員会は15日、選挙で男女の候補者数をできる限り「均等」にするよう政党に求める「政治分野における男女共同参画推進法案」(候補者男女均等法案)を全会一致で可決した。16日の参院本会議で可決、成立する見通し。女性に参政権が認められた戦後、女性議員を増やすよう後押しする初めての法整備だ。政治の風景や政策は変わるのだろうか。
「全会一致で可決するものと決定しました」。15日の参院内閣委員会。委員長がこう宣言すると、議員から拍手がわき起こった。
超党派の議員連盟を立ち上げて議員立法を主導し、担当大臣として採決を見届けた野田聖子男女共同参画相はこう語った。「3年かかったが、ようやく一歩を踏み出した。この法律は徐々に効果を発揮してくる」
セクハラ被害に遭った女性記者への心ない政権幹部の発言など、男女共同参画への無理解をさらしている国会。法成立までの道のりもまた険しいものだった。
「女性の社会進出で社会全体が豊かになっているとは思えない」「能力のある人は自力ではい上がる」。2016年に自民党の部会で議論された時には、立法化への異論が相次いだという。議連は、男性議員である野党・民主党(当時)の中川正春・元文部科学相が会長に就き、野田氏は幹事長に。与野党や男女といった枠を超えた課題として浸透させることをめざした。
昨年の通常国会では与野党で法案を一本化し、全会一致で成立させる段取りを固めた。だが、会期末の混乱などで白紙に。仕切り直しの今国会では再び政局に巻き込まれないよう優先的な審議を呼びかけ、ようやく成立にこぎ着けた。
今後問われるのは、「男女均等」の努力義務を課される各党の姿勢だ。法律で理念を示したものの、強制力はなく、女性を増やすかどうかは候補者の公認権を持つ政党次第。候補者名簿がそのまま、各党の「本気度」を示すことになる。公布と同時に施行され、来年4月の統一地方選、7月の参院選が試金石だ。
15年の統一選で行われた41…