14日のデモで、催涙ガスを吸って亡くなったとされる生後8カ月のライラ・アルガンドールちゃん(中央)は、パレスチナの旗を身にまとい、父親に抱かれて墓地へと向かった=2018年5月15日午後1時3分、パレスチナ自治区ガザ地区、杉本康弘撮影
米国大使館のエルサレム移転から一夜明けた15日午後、パレスチナ自治区ガザ地区。ガザ市中心部のモスク(イスラム礼拝所)で、生後8カ月のライラ・アルガンドールちゃんの葬儀が行われていた。
参列者によると、ライラちゃん一家は14日、米国とイスラエルに抗議するガザ地区での大規模デモに参加。その際、イスラエル兵が撃った催涙ガス弾から拡散したガスを吸い、ライラちゃんは死亡したという。
父親はパレスチナの旗にくるんだライラちゃんの遺体を抱き、モスクから墓地まで歩いて運び、親族とともに埋葬した。「神は必ず(イスラエルに)復讐(ふくしゅう)する。私は信じている」
パレスチナの人々は5月15日をナクバの日と呼ぶ。ナクバはアラビア語で大破局を意味する。70年前、イスラエル建国でパレスチナ人約70万人が難民になったことを思い起こす日だ。
「我々の土地から出て行け! エルサレムは我々のものだ!」
15日午前もガザ地区のイスラエル境界近くでは、抗議デモが続いた。参加者は約300人で、前日より大幅に減った。イスラエル軍との衝突で死亡した仲間の葬儀に参列し、参加できない人が多いという。
イスラエル軍によると、14日のガザ地区のデモには約4万人が参加。ガザ保健省によると、イスラエル軍兵士の銃撃などで少なくとも子ども7人を含む60人が死亡、2771人が負傷した。2014年夏にガザ地区で起きたイスラム組織ハマスとイスラエル軍の大規模戦闘以来、1日の死者数としては最悪だ。ガザ保健省によると、15日も1人が死亡した。
■米国連大使、イスラエ…