完成した斜行エレベーター=名古屋市中区の「サカエチカ」
名古屋・栄の地下街「サカエチカ」と市営地下鉄東山線の栄駅の連絡口に斜行エレベーターが完成した。これまで、地下街から同駅を行き来する通路には階段以外に簡易エレベーター(定員2人)1台しかなく、利用者から改善を求める声が上がっていた。
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定員9人の斜行エレベーターは、サカエチカの運営会社、サカエチカマチ(名古屋市中区)が設置。クリスタル広場から東山線栄駅方面に向かう地下街の通路と同駅のコンコースをつなぐ北階段に設けられた。16日に乗り初め式があり、関係者が参加した。
同社によると、上下に垂直移動する通常型のエレベーターでは機械室を作る十分な空間がなく、機械室を階段下に設置できる斜行型を選んだ。地下街での斜行エレベーター導入は珍しいという。
栄の地下街と東山線栄駅をつなぐ連絡口はほとんどが階段のみで、サカエチカと隣接する「森の地下街」に簡易エレベーターが1台あるだけだった。エスカレーターもないため、車いすやベビーカーを利用する人や、スーツケースを持つ観光客らにとって不便だった。
完成した斜行エレベーター近くでお茶などを販売する「妙香園」の専務取締役、田中良知さん(38)は「高齢のお客さんにも不便だったし、自分もベビーカーを押しているとエレベーターがあればいいなと思っていた。念願がやっとかないました」と話した。(日高奈緒)