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南海トラフ地震「兆候」 対応の国指針まだ、広がる困惑

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ワークショップで臨時情報への対応について意見を交わす住民ら=2018年5月18日、高知県黒潮町


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「南海トラフ地震」の予知は難しいが、大地震が起きる可能性が高まると、気象庁が「臨時情報」を発表することになった。いつ起きるのか、解除されるまで避難を続けるのか。対応を考える自治体や企業、教育現場では戸惑いが広がる。


南海トラフ地震の兆候あれば、市町村9割が避難喚起検討


「財政支援を」「指針待てぬ」 市町村「兆候」対応に


特集:災害大国


臨時情報の発表に備え、国土交通省は7日、各出先機関と連携した初の訓練を実施。マグニチュード(M)7クラスの地震発生後▽臨時情報の発表▽M9クラスの地震発生後の3段階で対応を確認した。


臨時情報発表時の訓練では、石井啓一国交相が「地震の発生の可能性が高まっていることを踏まえ、住民や関係機関に情報提供を」などと指示。各地方整備局と運輸局がテレビ会議で対応や被害状況を報告した。


中央防災会議は4月から、有識者の作業部会で対応を検討。高知、静岡両県の住民や中部経済界から意見を聞き、自治体や企業に一斉に対応を促す仕組み、避難の期間、学校の運営、企業活動の制限などの議論を年内にまとめ、ガイドラインを作る予定だ。


「津波警報は解除されても『地震発生の可能性が高まっている』という情報が出続けている。どうしますか」。最大約34メートルの津波で2千人以上の死者が想定される高知県黒潮町で今月18日、住民の意見を聞く内閣府主催のワークショップがあった。浜町地区の約10人が「あいまいな情報なら家に帰る」「すぐに逃げられないお年寄りは預かってほしい」などと発言した。


黒潮町は高台への避難道を180カ所、避難タワーを6基整備。浸水が想定される約3800の世帯ごとに経路や支援者名を記した「戸別津波避難カルテ」も作ってきた。しかし臨時情報への対応について、浜町地区の自主防災組織の河内香会長(66)は「各家庭で状況が違い、なかなか答えが出ない。みんなが自分の行動を決められるように話し合わないと」と悩む。


静岡県は最大10万人以上の死者が想定される。県教育委員会は3月、臨時情報への対応を盛り込んで防災対策マニュアルを改訂し、県立学校や各市町教委に示した。しかし、県危機管理会議の結果を受けて各校が判断するとの内容で、ある県立学校副校長は「あいまいでどう動いたらいいか分からない。県教委できっちり示してほしい」。今月22日の説明会でも、県教委の担当者は「何日なら休校可能か。どんな社会的規制が考えられるか。国と県で検討中のため、現状では明確な対応が打ち出せない」とした。


一方、同県沼津市立静浦小中一…



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