野球殿堂博物館で始まった特別展「高校野球 100回目の夏」。各都道府県の最多出場校のユニホームが一堂に展示されている=2018年5月29日午前、東京都文京区後楽、鬼室黎撮影
全国高校野球選手権がこの夏、第100回の節目を迎えるのを記念して、野球殿堂博物館(東京都文京区)で29日、「高校野球 100回目の夏」と題した特別展が始まった。9月30日まで。
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展示室には、史上唯一の3連覇を成し遂げた中京商(現中京大中京=愛知)の優勝旗レプリカや、61回大会(1979年)で延長十八回の死闘を演じた星稜(石川)―箕島(和歌山)の試合で実際に使われたボールなど、歴史を感じさせる逸品計84点がずらり。
中でも、博物館が「目玉」とするのが、47都道府県それぞれの最多出場校の本物のユニホームだ。全国最多38回の出場を誇る北海(南北海道)や、2016年の地方大会を最後に休部したPL学園(大阪)のほか、早稲田実(西東京)、横浜(神奈川)、星稜(石川)など、各校の協力を得て収集。学芸員の関口貴広さんは「どの人にも地元があって、記憶に残るユニホームがあるはず。ここに高校野球の魅力がある。歴史に触れ、ふるさとを思い出してもらえたら」と話す。
最近10年ほどの間に活躍した球児をテーマにした展示スペースには、関東一(東東京)のオコエ瑠偉(現楽天)のユニホームや、東海大相模(神奈川)の小笠原慎之介(現中日)のグラブなども。履正社(大阪)の山田哲人(現ヤクルト)の当時のユニホームは「今と比べると、驚くほど細い」(関口さん)。
さらに、100回大会開催に合わせて新調され、今回で3代目となる「深紅の大優勝旗」が6月28日正午から展示される予定。一般向けとしては初公開で、7月10日まで。併せて、昨夏の王者、花咲徳栄(埼玉)が保管する2代目優勝旗も、6月22日~7月5日に展示される。(吉永岳央)