モロッコに勝利し喜ぶイランの選手たち=AP (15日、イラン1―0モロッコ サッカー・ワールドカップ) サッカーは、時として非情な顔を見せる。 【特集】2018ワールドカップ 2018ワールドカップの日程・結果 日本代表のニュースや試合日程 0―0で後半45分を回っていた。追加時間は6分。表示されてから4分余りとなり、スタジアムには引き分けムードが漂ってきた。 イランの左サイドからのFK。最後のチャンスになってもおかしくない。イランDFハジサフィのキックは弧を描いて、ゴール前へ。モロッコDFブアドゥズがクリアしようとしたが、頭に当たったボールが一直線にゴールに吸い込まれた。ブアドゥズは相手と競り合っていたわけではない。「何が起きたかわからない」。まさかのオウンゴールが生まれた。 【試合詳報】イラン―モロッコ イランのケイロス監督の見方は違う。「この勝利は偶然じゃない。勝つために相手をいらだたせることを考え、実践していた」。試合開始からモロッコに持ち前の力強く、速い攻撃を見せつけられ、イランは防戦一方だった。それでも20分ほど耐えきると、試合が落ち着き、イランのカウンターがたびたび出るようになった。 その後も、イランはゆっくり選手交代をしたり、けがで試合が止まると再開を遅らせたり。徹底的にモロッコを焦らせた。その成果が、相手の不用意な反則で奪ったFKのチャンスであり、相手のミスによるオウンゴールだった。 イランがワールドカップ(W杯)で勝つのは20年ぶりで、1998年フランス大会の米国戦以来となる。「90分待っても1秒のチャンスがあれば勝てる。それを就任以来、選手に伝えてきた」とケイロス監督。就任から8年間の蓄積が生んだ勝利だった。(河野正樹) |
イラン、相手ミスで20年ぶりの勝利 「偶然じゃない」
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