The Road DF長友佑都
髪を金色に染めあげた不動の左サイドバックは、燃えている。日本代表のDF長友佑都(31)。2014年のワールドカップ(W杯)ブラジル大会はコロンビア戦で1―4と完敗し、1次リーグ敗退。脳裏に焼きつくのはあのときの光景だ。今大会は19日の1次リーグ初戦で再び相まみえる。
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ロシア・カザンでの17日の練習。冒頭のウォーミングアップで、長友は笑みを浮かべながらも、表情は徐々に引き締まっていった。
「4年前、ずたずたにされた。試合後にピッチに座りこんでいると、コロンビアの選手に励まされた。もうあんな経験はしたくない」
突きつけられた世界との力の差。チームメートにも妥協を許さなくなった。
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西野朗監督(63)が就任し、8日のスイス戦まで2連敗。日本の今大会に臨むメンバーの平均年齢は28・26歳と、W杯6度目の出場で最も高い。その結果のでなかったチームで行動に出た。
スイス戦を終え、オフを挟んだ10日、MF本田圭佑(32)へ厳しい言葉を伝えた。「パフォーマンスを上げてもらわないと、このチームは勝てない」
強気な発言でならす、仲の良い同学年にまで注文をつけたのは、「ベテラン」と言われる自分も危機感を募らせているから。「経験だけで勝たせることはできない。戦って、走れないと経験は生きない」。国際Aマッチ出場105試合を数える男は、この合宿中のつかの間のオフもバイクをこぐなど努力を続ける。
この4年で環境は変わった。結婚し、子どもも生まれた。8季過ごしたインテル・ミラノ(イタリア)から、出場機会を求めて今季はガラタサライ(トルコ)に期限付き移籍した。
でも変わらなかったものもある。それは、あの悔しさ。「今度は、日本とコロンビアの立場が4年前とは逆になるような結果とプレーを求めていきたい」
全力で走り、戦う。(堤之剛)