過疎地に多い公営の「簡易水道」を、同じ市町村の「上水道」に統合する計画が遅れている。国の試算では、2007年度から10年間で約800カ所に減る見通しだったが、朝日新聞が今春時点で調べたところ、回答があった38都道府県だけでも2千カ所を超えた。数十倍にも及ぶ料金格差が障害になっている。今後も統合が進まなければ、過疎地の水道をどう維持するかが問われる事態になりそうだ。
水道事業は人口減少で料金収入が先細りする中、将来にわたって水道管など施設の更新や耐震化を迫られる。中でも、支え手が少ない過疎地ほど経営が厳しくなるとして、厚生労働省は簡易水道の再編を推進。07~16年度の10年間で統合する計画を提出した簡易水道に限り、補助金を出す方針にした。
同じ市町村の上水道との統合や簡易水道同士の再編が進めば、市町村が運営する公営簡易水道約7千カ所は、離島や遠隔地などで統合が難しい約800カ所に減ると厚労省は試算。その後、東日本大震災の影響などで統合が遅れることを考慮し、計画は19年度末まで3年間延長された。
期限まで残り2年となった18年春の数を朝日新聞が調べると、昨年度に137カ所を6カ所に統合した島根など、再編をほぼ終えた県もあるが、38都道府県で計2014カ所あった。
最大の「壁」が料…