国宝 土偶 合掌土偶 青森県八戸市 風張1遺跡出土 同市蔵(同市埋蔵文化財センター是川縄文館保管)
縄文時代に属する国宝6点が初めて一堂に会する特別展「縄文――1万年の美の鼓動」(朝日新聞社など主催)が3日、東京・上野公園の東京国立博物館で開幕する。2日、同館で開会式と内覧会があり、縄文の「美」を代表する、えりすぐりの遺物約200件が公開された。
世界でも最古級の土器の一つである縄文土器が使われた縄文時代は、1万数千年前から約1万年間にわたって続いたとされる。
展覧会では、代表的な遺物である縄文土器を中心に、ユニークな造形の土偶や、製作者の美意識がうかがえる装身具類、石器類などを通して、南北に延びる日本列島を貫いて栄えた、縄文文化の美のうねりを示す。
開会式と続く内覧会には約1300人が参加。東京国立博物館の銭谷眞美館長は「自然保護や自然との共生、さらにはそのデザイン性などの様々な切り口から、いま、縄文時代は再評価されている」とあいさつ。「この展覧会を通して、『かわいい』『かっこいい』『おもしろい』と言われる縄文文化の、知恵、技、思いを感じとっていただければ」と話した。
特別展は「暮らしの美」「美の競演」「祈りの美、祈りの形」などの6章から構成され、「縄文美の最たるもの」と題した4点の国宝、新潟県出土の「火焰型(かえんがた)土器」、山形県出土の「土偶 縄文の女神」、北海道出土の「中空土偶」、青森県出土の「合掌土偶」などを集めた部屋では多数の人が遺物に見入っていた。
展覧会は、壁も展示具も白を基調に構成されており、その中で、国宝だけを集めた部屋がワインレッド、同時期の海外の土器を集めた部屋がブルーとなっている。展示品の間隔はゆったりめで、凝ったライティングが鑑賞を助けてくれる。
文化財や考古学を担当する記者…