ソフトバンクの柳田悠岐
(10日、プロ野球交流戦 ソフトバンク5―2中日)
規格外のパワーを見せつけた。ソフトバンクの柳田が今季初の1試合2本塁打。4連敗中のチームの雰囲気を一変させた。
1点リードの三回1死一、三塁で中日の左腕、大野雄の高め146キロの直球をフルスイング。感触は「少し詰まった」という。しかし、力でバットを押し込んだ打球は失速せず、左翼席に飛び込んだ。
3試合ぶりの15号3ランで突き放すと、五回には外に逃げるスライダーをとらえ、再び左翼席へ16号ソロ。今季初の2打席連発を記録した。3打席連発を期待された最終打席は二ゴロに終わり、「野球はそんなに甘くないです」とさらりと言った。
2日前、試合中の守備で右足太もも裏を痛めた。負担を減らすため定位置の中堅ではなく、前日からプロで初めて左翼でスタメン出場している。「100(%)では動けない」と工藤監督が言うように体は万全ではない。だが、柳田は言う。「1、2戦目はぼろぼろにやられたので、やり返そうと思っていた」
広いナゴヤドームで逆方向に2発。一回には先制の犠飛も打ち上げ、この日全5打点を稼いでチームの連敗を止めた。工藤監督も「(左翼への本塁打で)右打者と変わらない飛距離を作れる。すごいね」と脱帽した。12日からは福岡に戻って6連戦。「来週はもっと良い週にできるようにしたい」。頼れる主砲に慢心はない。(甲斐弘史)
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○中田(ソ) 古巣相手に六回途中1失点で通算100勝まであと1勝。「特に意識することはない。今日は何とか粘って試合を作れた」
●森監督(中) 大野雄について「同じ人(柳田)にやられている。何か考えるところがあるだろう」。
●大野雄(中) 「(柳田に対し)もっと広い視野を持って投げなければいけなかった」