満塁本塁打を放ったオリックスの杉本(左)と完封勝利のディクソン=17日、京セラドーム大阪
(17日、プロ野球、オリックス11―0日本ハム)
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4点リードの三回1死満塁。オリックスの杉本が外角の142キロを逆らわずに右方向へ運んだ。打球はぐんぐんと伸び、右翼席ギリギリに入る今季2度目の満塁本塁打。漫画「北斗の拳」をこよなく愛し、チーム内からは「ラオウ」の愛称で呼ばれる27歳。「まさかスタンドに入るとは」と自身も驚きの一発だった。
試合前までのチーム打率は12球団ワースト。前日も5安打で1得点と低調だった打線が、この日はひと味違う姿を見せた。1点リードの三回は3本の安打で1死満塁にし、吉田正と伏見の適時打で3点と、打線がつながる。死球を挟み、とどめを刺したのが杉本だ。
杉本は徳島県出身のプロ3年目。徳島商高から青山学院大、社会人のJR西日本を経て、ドラフト10位で入団した。190センチ、94キロの恵まれた体格のパワーが持ち味。今季は11日に1軍昇格し、その日の楽天戦で満塁弾を放った。16日の日本ハム戦は欠場したが、この日の出場2試合目でも満塁で一発。2試合連続満塁弾はプロ野球タイ記録で、史上8人目だ。2軍にいる間は「タイミングの取り方やスイングの軌道を改善した」と杉本。福良監督は「あの振りを見せられたらまた使いたくなりますよね」と舌を巻いた。
座右の銘は「我が生涯に一片の悔いなし」。お立ち台で「みなさんのおかげで打てました!」と叫んだ「ラオウ」が打撃陣の起爆剤になれるか。(辻隆徳)
○ディクソン(オ) 146球で完封勝利。「ちょっと球数がかかりすぎたけど、無失点に抑えられてよかった」