トランプ米大統領は24日、米ミズーリ州で演説し、すでに離脱を決めたイランとの核合意に関し「本当の取引をする準備がある」と語った。トランプ氏は2日前、イランを「米国を脅すな」などと激しい言葉で非難したが、一転、対話の可能性を示唆した。
トランプ氏は演説で、オバマ政権が主導し、米英仏独ロ中の6カ国とイランが結んだ核合意について「私は、恐ろしい一方的なイランの核合意から離脱した」と強調。その上で「何が起きるか分かるだろう。我々は前政権が行ったような災害のような取引ではなく、本当の取引をする準備がある」と語った。ただ、具体的な交渉の中身については明らかにしなかった。
トランプ氏は5月、核合意から離脱し、緩和していたイランへの経済制裁を復活。さらに、日本や欧州などにイラン産原油の全面輸入禁止を要求している。
イランのロハニ大統領がホルムズ海峡の閉鎖などを示唆して米国に反発すると、トランプ氏は22日、自身のツイッターで、すべて大文字で「米国を二度と脅してはならない。さもないと、過去の歴史でもほとんど無いような報いを受けることになる」などと激しい言葉で批判していた。(ワシントン=土佐茂生)