みずほ信託銀行の飯盛徹夫社長が朝日新聞のインタビューに応じ、対話アプリ「LINE」を使った低価格の「遺産整理サービス」を打ち出すことで、高齢化時代のニーズにこたえる意欲を示した。主なやりとりは次の通り。
――相続分野のニーズが高まっています
遺産整理、ネットとLINEで みずほ信託が新サービス
「みずほ銀行とみずほ信託銀行は、年間約10万人の顧客から死亡届を受け取る。しかし遺産整理サービスを利用するのはその約1%の1千人だ。銀行側と顧客がLINEで会話をするなどしてコストを大きく下げ、これが1割まで増えれば、今の10倍のビジネスになる」
――ITの進展で業務の形も変わりますか
「わざわざ店舗に来てもらわなくても遺産整理ができるようになる。コストが下がり、これまでは(採算がとれずに)成り立たないと思われていた領域がビジネスになる」
――地方の信託ニーズにどうこたえていきますか
「これまでに地方銀行8行に信託代理店になってもらい、我々のサービスや商品を扱ってもらっている。契約地銀数はさらに増えるみこみで、年内には1千を超える地銀の支店がみずほ信託の代理店になる」
――今後の収益の目標は
「高齢化の進展で、信託は有望分野だ。ただ、大もうけできるビジネスではない。新しい勘定系システムへの移行に伴う減価償却負担も大きくなるが、それを跳ね返して成長軌道に乗せられるよう、アセット(受託資産)を増やしていきたい」(聞き手・榊原謙)