みずほ銀行は16日、中小企業の信用力を人工知能(AI)を使って審査し、最大1千万円まで貸し出す新サービスを始めたと発表した。法人向け融資の審査にAIを活用するのは大手行で初。当面は、同行に法人口座を持つ小規模な事業者(売上高10億円未満)が対象で、AIが口座の資金の出入りなどから融資の可否を判断する。手続きはオンラインででき、申し込みから最短2日間で融資する。これまで審査に必要だった決算書の提出も不要。金利は1~14%台。
新サービスは「みずほスマートビジネスローン」。AIは、信用力の高い企業と低い企業の口座の資金の動きに関する膨大なデータをもとに学習。企業の口座の資金の動きなどから、融資の貸し倒れの確率を算定し、融資の可否や貸出金利の水準を素早く判断する。このため、決算書は審査に必要なくなったという。みずほは80万社の法人口座を抱えるが、融資しているのはこのうち1割程度。新サービスで小規模事業者の資金ニーズを掘り起こし、今後3年間で1万社、計300億円の新規融資を目指している。