米国防総省は2日、イランがホルムズ海峡を含むペルシャ湾一帯で大規模な軍事演習を開始したことを明らかにした。イラン側には、原油輸送の要衝である同海峡を封鎖できる能力を誇示する狙いがあるとみられる。
米メディアによると、演習にはイランの精鋭部隊である革命防衛隊の小型艦船数十隻が参加しているという。米軍との接触は起きていない。
米中央軍の報道担当者は取材に「事態を監視しており、地域の友好国とともに航行の自由の確保に努める」と述べた。
革命防衛隊による演習は例年はもっと遅い時期に実施されてきた。演習の前倒しは、米国との緊張の高まりが関係している可能性がある。
トランプ政権は5月、米英仏独中ロの6カ国がイランと結んだ核合意から離脱し、今月から経済制裁の復活を予定している。
イランのロハニ大統領は7月下旬、「イランを脅し続ければ、残念な結果を招くことになる」と海峡封鎖を示唆。トランプ氏が「二度と米国を脅すな」と不快感をあらわにしていた。(ワシントン=杉山正)