日本ボクシング連盟の一連の問題を告発した「日本ボクシングを再興する会」(鶴木良夫代表)は8日、山根明会長(78)らが試合判定に介入したことを裏付ける証拠として、音声データを公表した。
ボクシング山根明会長が辞任表明 「選手に申し訳ない」
山根会長「奈良判定なんてあるわけない」 取材に応じる
データは2種類あり、一つは2016年2月、山根会長の発言を記録したとするもの。山根会長とみられる男性の「接戦した場合、やっぱり奈良やな。反対につけた場合は『お前なめてるんか?』ってなってくるわけ」などという発言が録音されている。奈良は山根会長が連盟の役員を務め、奈良の選手に有利な判定が出る「奈良判定」の指摘も出ていた。もう一つは同年4月、連盟の理事が、近大の選手を勝たせないように山根会長が審判を集めていることを語っているとする内容。
会見で同会のメンバー、仁多見史隆・新潟県ボクシング連盟副理事長は「審判が正常な判定ができなくなっていたことを思うと、スポーツ界ではあってはならない。早期に解決しなければと思い、紹介した」と訴えた。
これに対し、日本ボクシング連盟の吉森照夫専務理事も同日、記者会見を開き、音声について「奈良を愛するあまりの願望を言ったのだと思う。(審判が)忖度(そんたく)した可能性はあるが、それは第三者委員会できめてもらう」と語った。もう一つの音声で指摘された理事は「誤解を招く発言で申し訳なかった」と話したという。吉森氏は「雑談で、非難されることではないと思う」とした。(河崎優子)