米国務省は17日、2億3千万ドル(約254億円)のシリア復興基金への拠出を撤回し、他の外交政策などの予算に振り分けると発表した。トランプ大統領は今春、拠出を一時凍結し、再評価を指示していた。
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国務省によると、復興基金は過激派組織「イスラム国」(IS)から解放された地域での爆弾処理や水、電気などのインフラの整備のためのもの。トランプ政権は「有志連合」に参加する周辺各国に拠出額を増やすよう求めていた。国務省のナウアート報道官は、サウジアラビアが1億ドル、アラブ首長国連邦が5千万ドルの拠出を決めたと述べ、「米国が、他の優先政策に税金を費やすことが可能になった」と述べた。
拠出の撤回は、米国のシリアへの関与縮小を意味するが、ナウアート氏は「今回の決定はシリアでの戦略的目標への関与を減らすものではない」と主張した。
トランプ政権は、シリアでの道路や橋といった大規模なインフラ再建に向けた拠出にはさらに消極的だ。国連主導の和平協議が成功しない限り、一切の費用を出さないとしている。(ワシントン=杉山正)