暴走族の総長としてバイクで走り回っていた日々と決別し、総合格闘技の世界に飛び込んだ青年がいる。愛知県一宮市在住の山本聖悟(せいご)さん(22)。少年院を出て4年半。9月9日、プロ8戦目で初のタイトル戦に挑む。
中学2年のころから不良の先輩と交友を始め、中学3年で暴走族に入った。17歳で総長になり、約40人を率いた。機械設置の現場で働きながら、夜になるとバイクで走った。しかし、暴走やけんかの連続で少年院へ。
1年後に少年院を出ると、かつての友人たちはみな車の免許を持ち、就職したり、大学に進学したりしていた。自分は暴走行為をしていたため、しばらく免許を取れなかった。「僕には免許も学歴もない」。劣等感にさいなまれた。
自分には何ができるのか。小学生のころ空手を習っていたこともあり、総合格闘技への挑戦を決めた。先輩に連絡を取り、「やりたいことがあるので専念します」と宣言。関係を断った。
焼き肉屋でアルバイトをしなが…