米南部のメキシコとの国境近くに住む米国民の間で、パスポート申請が拒否される事例が相次いでいる。米ワシントン・ポスト紙が30日伝えた。多くは米国で生まれ米国籍を持つヒスパニック系の市民だ。トランプ政権発足後に拒否が増えているといい、出生証明書の不正取得を疑った措置だと思われる。移民取り締まり強化の矛先が米国民にまで向いた形だ。
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同紙が紹介したのは、テキサス州に住むファンさん(40)の事例。南部のメキシコ国境の街で生まれ、米陸軍や国境警備隊で働き、今は刑務所の警備員を務める。今年、パスポートの更新を申請したところ、国務省から「米国民とは信じられない」と拒否されたという。同紙によると、出生証明書の上では米国生まれで米国籍を持っていても、パスポート申請を拒否されるケースが相次いでおり、数千件に上る可能性もあるという。
国務省は同紙の取材に、「パスポート申請の審査について方針や実務の変更はない」としつつ、「米メキシコ国境地域は、国籍不正取得の重大事件があった場所だ」とコメントした。
国境地域では1950~90年…