半導体大手ルネサスエレクトロニクスは、米半導体メーカーのインテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)を買収する検討に入った。通信用の半導体に強いIDTを買収することで、自動運転向けの技術を強化する狙いとみられる。買収額は6千億円を超える見通しだ。
ルネサスは31日、「さらなる成長に向けて検討しているが、現時点で決まった事実はない」とのコメントも出した。
ルネサスは日立製作所、三菱電機、NECの半導体事業が前身で、自動車用の半導体で世界有数のシェアを持つ。各社から引き継いだ過剰な設備が重荷になって一時は経営が悪化したが、2013年から政府系ファンドの産業革新機構の傘下に入り、大がかりな人員削減などの再建策を進めて業績が回復した。
16年に就任した呉文精社長は企業合併・買収(M&A)に前向きで、17年には電源制御用などの半導体をつくる米インターシルを約3300億円で買収した。