電線大手のフジクラは31日、送配電用の電線や通信ケーブルで品質検査データなどの不正が見つかったと発表した。不正は1987年以降に70件が確認され、少なくとも66社に出荷されたという。対象は73品種に及ぶ。経営陣は昨年12月に一部の不正を把握したが、これまで公表していなかった。
特集:検査データ改ざん問題
不正があったのは、本社と子会社6社の持つ国内外の計10拠点。製品の検査の一部を実施しなかったり、検査書類にウソの数字を書き込んだりした。日本工業規格(JIS)の認定を受けた拠点の設備の更新などを事前に報告していなかったことも発覚した。すでに届け出を済ませており、認定の取り消しは受けていないという。
出荷先は「エネルギー、情報通信の部門が中心」(広報)としている。防衛省に納入したケーブルでも不正がみつかり、防衛装備品の安全性の確認作業が進められているという。
神戸製鋼所など素材メーカーで…