右ひじを痛めていたエンゼルスの大谷が約3カ月ぶりにマウンドに立った。2日、敵地でのアストロズ戦に先発し、三回途中まで投げ、2失点で2敗目(4勝)を喫した。三回にスプリンガーに2点本塁打を浴びるなど、打者11人に対し、被安打2、奪三振2の内容で、5月20日以来の5勝目はならなかった。
エンゼルス大谷、3回途中で降板 3カ月ぶり「二刀流」
田沢が七回にエンゼルス移籍後、初登板し、1回を1失点。メジャー登板はマーリンズに所属していた5月17日以来だった。
ダイヤモンドバックスの平野はドジャース戦で1―1の七回途中から5番手で登板し、1回を無安打無失点に抑えた。
めどの60球に届かず
いつもと変わらない。口を真一文字にキュッと結び、セットポジションで打者に対する。エンゼルスの大谷翔平が、およそ3カ月ぶりにマウンドへ戻ってきた。一回、アストロズの1番・スプリンガーへの第1球には、96マイル(約154キロ)の直球を投げ込んだ。
スプリンガーには2球目を右前にはじき返され、2死から4番のコレアを歩かせたものの、無失点で切り抜けた。ところが二回。先頭の6番・ゴンザレスの打球が頭上に弾んだとき、止めようとして無意識のうちに右手を出してしまう。
打球が当たった影響か、三回に速球の球速が明らかに落ちた。一回に最速99・3マイル(159・8キロ)を計測したが、三回は91、92マイルに。先頭に四球を与え、スプリンガーに2ランを浴びた。続くアルテューベを二ゴロに打ちとった後、ソーシア監督から交代を告げられた。49球。めどにしていた60球には届かなかった。
試合形式の投球練習を3度積んだだけで、本格的な実戦を経験しないままでの復帰登板。それにもかかわらず、「戻るだけじゃなくて、しっかり抑えられるかどうかが問題」と話していた大谷だったが、右手、右ひじの状態も含めて、今後に不安が残る内容になってしまった。(山下弘展)