主要団体が四つあり、同じ階級に世界王者が複数いるプロボクシングで、「ベストの中のベスト」を決める大会に、世界ボクシング協会(WBA)バンタム級王者の井上尚弥(大橋)が初めて参戦する。異なる団体の王者が参加する「ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ」(WBSS)だ。10月7日、横浜アリーナで元WBA同級スーパー王者のフアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)との初戦に挑む。
WBSSは欧米の興行会社が昨年始めた。各階級8人が約1年かけてトーナメントで争い、優勝者には高額の賞金と「モハメド・アリ杯」が贈られる。すでにクルーザー、スーパーミドルの2階級で開催されており、賞金は総額5千万ドル(約55億円)と破格だった。
バンタム級もWBAスーパー王者のライアン・バーネット(英)、WBO王者のゾラニ・テテ(南アフリカ)、IBF王者のエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)、元5階級王者のノニト・ドネア(フィリピン)ら猛者ぞろいだが、井上は優勝候補筆頭との呼び声が高い。「参加者は全員実力者。やりがいがあるし、ワクワクしている。簡単な道のりではないけど、必ず優勝したい」
WBSSの日本開催は初めて。ジムの大橋秀行会長は「演出も普通の世界戦とは違うインパクトがある。歴史に残る試合になると思う」と話している。(菅沼遼)