パナソニックは11日、大阪国税局の税務調査で約421億円の申告漏れを指摘されたと発表した。同社が保有する北米子会社の株式をオランダの子会社に売却した価格が、不当に安かったと認定されたという。重加算税を含めて約60億円を追徴課税される可能性があるといい、同社は不服申し立てをする方針だ。
パナソニックは2017年3月、北米事業を統括する子会社「パナソニック ノースアメリカ」の全株式をオランダの子会社に約7371億円で売却した。パナソニックによると、大阪国税局は時価での評価額は約7783億円だとし、差額の約412億円が寄付金で課税対象になると認定した。ほかにも帳簿に資産の記入漏れがあるなど、約9億円分の申告漏れを指摘したという。
一方、パナソニックは11日に記者会見を開き、担当者が「第三者機関に依頼して算出した客観的な評価に基づいている」と反論した。不服申し立てをする方針の一方、国内の会計基準に基づき、19年3月期の単体決算には約60億円分の法人税などを計上する予定という。(岩沢志気)