井山裕太名人(29)に張栩(ちょうう)九段(38)が挑戦している第43期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第2局は13日朝、愛知県田原市の旅館「角上楼(かくじょうろう)」で再開し、2日目に入った。競り合いが続き、両者の判断が問われる勝負となっている。
囲碁名人戦第2局タイムラインで詳しく
午前9時、両者が1日目の105手目までを並べ直し、名人が封じ手の白106を打った。左辺の黒の一団を封鎖して生きを催促したかと思うと、一転して上辺白114と上下の黒を裂く。攻勢に出た名人が局面を主導しているように見える。
上辺白124は検討陣の予想になかった一手。黒125と窮屈だった黒の一団をくつろがせ、この交換自体は白の損だが、中央白126の割り込みから確実に黒四子を取りにいった。挑戦者が黒129を考慮中、正午の昼食休憩に入った。
解説の羽根直樹九段は「名人は形勢に自信を持って安全な手を選んでいる可能性があります。白が黒四子をとったあと、黒は右辺中央の白80の一子をのみ込みにいくのか、他所の大どころに向かって利得を図るのか。挑戦者の判断が見どころです」と話した。(大出公二)