大型ハリケーン「フローレンス」が14日にも米南東部の沿岸州に上陸する見通しだ。直撃が予想されるノースカロライナ、サウスカロライナ、バージニア各州では沿岸部の住人ら100万人に避難命令が出ており、市民生活に大きな影響が出ている。
国立ハリケーンセンター(NHC)によると、フローレンスは13日夕の時点でノースカロライナ州の南東160キロの海上をゆっくり北西に進んでいる。一時5段階で上から2番目に強い「カテゴリー4」に達した勢力は「カテゴリー2」に下がっている。
ノースカロライナ州の電力会社によると、ハリケーンの影響で停電になり、推定100万~300万人に影響する可能性がある。米メディアは車で避難する家族や、破損や略奪を防ぐために店の窓に板を打ち付ける商店主らの様子を伝えている。
中間選挙が11月に迫る中、トランプ大統領は早い段階からツイッターなどで警戒を呼びかけている。米国では2005年にハリケーン・カトリーナが南部ルイジアナ州などを直撃し、約1800人の犠牲者を出した。当時のブッシュ政権は初動の遅れで危機管理能力が問われ、支持率が急落した。(ニューヨーク=金成隆一)