米南東部の沿岸州に14日に上陸したハリケーン「フローレンス」の被害が拡大している。ニューヨーク・タイムズ紙の集計によると16日未明の時点で少なくとも12人が死亡した。ノースカロライナ州やサウスカロライナ州の80万世帯で停電するなど、市民生活に大きな影響が出ている。
ノースカロライナ州では民家が倒木の下敷きになり母親と子どもが死亡したほか、豪雨後の鉄砲水で3人が死亡した。サウスカロライナ州では車が倒木と衝突して運転していた女性1人が死亡したという。
一時、5段階で上から2番目に強い「カテゴリー4」に達した勢力は、上陸時までに「カテゴリー1」に下がり、熱帯低気圧に変わった。勢力は弱まったものの各地で大雨が続き、水没地帯が広がっており、当局は被害が拡大する恐れがあるとして警戒を呼びかけている。(ニューヨーク=金成隆一)