カトリック教会の聖職者らによる子どもへの性的虐待問題で、米ニューヨークのブルックリン教区は18日、被害者4人に対して計2750万ドル(約31億円)の和解金を支払うことで合意した。1人当たりの和解金は約7億7千万円で、この問題で最大規模という。米紙ニューヨーク・タイムズが報じた。
同紙によると、被害者の男性らは2003~09年に教会の宗教教員だった男に繰り返し性的暴行を受けたという。被害者は当時8~12歳だった。被害者の1人の親が通報して発覚。男は09年に逮捕され、禁錮15年の刑に服しているという。
カトリック教会での性的虐待は02年、米マサチューセッツ州で130人以上が被害を受けたと米紙が報じて表面化。世界各地で問題が発覚し、米ペンシルベニア州最高裁判所は今年8月、神父ら少なくとも300人以上が虐待を行い、1千人が被害を受けたとの報告書を公表した。フランシスコ法王も問題を放置したとして批判されている。
ニューヨーク・タイムズによると、ブルックリン教区では時効を迎えた数百件の虐待事件について和解の作業が進められている。(ニューヨーク=鵜飼啓)