独アウディ日本法人は28日、新車の排ガスや燃費性能を調べる検査で、本来は無効とすべきデータを有効とする不正が14車種37台で見つかった、と国土交通省に報告した。出荷前の自動車の検査不正が輸入車で発覚するのは初めて。
不正が確認されたのは、2014年7月~18年7月に、ドイツの3工場で日本への輸出向けに実施された検査だ。対象は、中型セダン「A4」や小型のスポーツ用多目的車(SUV)「Q3」などの車種。排ガスデータを測る際、車を走らせる速度が日本のルールから外れていた。品質に大きな影響はないとして、リコール(回収・無償修理)は実施しない。
検査の条件を満たさなければデータを無効にして再検査をする必要があるが、データをシステムに手動で送る際、「無効」というボタンを選んでいなかった例があったという。担当者の不注意で、意図的ではなかったとしている。
フィリップ・ノアック社長は「(今回の件を)お客様に包み隠さずお伝えし、信頼の回復を図っていきたい」と話した。