トランプ米大統領は29日、ウェストバージニア州ホイーリングで開かれた選挙集会で北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長について語り、「恋に落ちた」などと冗談めかしながら良好な関係を強調した。
トランプ氏は集会の演説で北朝鮮が核実験やミサイル発射を自制していることに触れ、「私は彼(金氏)が好きだ。彼も私が好きだ。こんなことを言っても許されるかな?」と述べた。さらに「互いに非常に厳しくあたってきた。関係は行ったり来たりした。そして恋に落ちた。彼は私に美しい手紙を書いた」と話した。
トランプ氏は「我々は恋に落ちたのだ」と再度強調し、発言が呼ぶ波紋を見込んでか、「(メディアは)なんてひどいんだ、大統領らしくないと言うだろう」などと付け加えた。
トランプ氏は昨年、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮の金氏を「ロケットマン」と挑発。北朝鮮も反発して緊張が高まっていた。だが、今年6月にシンガポールで首脳会談を開催して以来、トランプ氏は「非常に気が合う」などと金氏を称賛。「米国も世界もより平和になった」と繰り返しアピールしている。米朝両国では、2度目の首脳会談に向けて調整が続いている。(ホイーリング〈ウェストバージニア州〉=杉山正)