国産初のジェット旅客機MRJを開発する三菱航空機の水谷久和社長は1日、朝日新聞のインタビューに応じ、「2020年半ばの初納入を絶対に守る」と納期を厳守する考えを改めて強調した。今年末にも機体の配線などの設計変更を終える方針だ。
MRJは納期が5度遅れ、開発費は当初想定していた1千億円台後半から6千億円規模に膨らんでいる。親会社の三菱重工業は先月、納入までに2千億円を追加で投じる見込みを明らかにしている。足元の状況について、水谷氏は「なんとか予定していたスケジュール通りで来ている」とした。
また、水谷氏は開発中の機体(約90席)より一回り小さい、約70席の派生機「MRJ70」について、90席級にはない新技術を導入する考えを示唆した。詳細は検討中で「MRJ70の開発で得られる知見が、90席級の商品性をよくする可能性もある」と話した。
このほか、購入権を含めてMRJ10機分を注文済みの航空会社、エア・マンダレー(ミャンマー)が先月、全フライトを休止した点については「営業部門がコンスタントに話をしている」と言及。「早く(運航を)再開したいと聞いている。キャンセルの話はない」と述べた。(友田雄大)