名古屋テレビ塔近くに、地上96メートルの高層のオフィスビルが建つ計画が3日明らかになった。NTTグループの不動産会社、NTT都市開発(東京都)は、名古屋市東区の「住友商事名古屋ビル」跡地に地上20階のオフィスビルを建設する。来年秋ごろに建設を始め、2022年初めにも完成させる。
建設地は、地下鉄久屋大通駅から歩いて1分のオフィス街。2階より上はオフィス、地下1階と1階には店舗が入る。延べ床面積は3万1千平方メートルほど。
建築物を建てる際、敷地面積に比べて、建てられるビルの延べ床面積の上限が場所ごとに決められている。今回の建設地は区画全体で770%。NTT都市開発はこの比率が緩められる「都市再生特別地区」への指定を9月に市に提案しており、1110%までの緩和をめざす。市によると、これが認められれば栄地区での適用は初めて。
旧住友商事名古屋ビルは地上13階建てのオフィスビルで、現在は解体が進む。地下街とつながる通路をつくるなど、「周辺との回遊性も高める」(NTT都市開発)という。
名古屋の名駅地区では、ミッドランドスクエアや大名古屋ビルヂング、JPタワー名古屋などが相次いで完成し、街の雰囲気はがらりと変わった。一方、栄地区は大きな開発が少なく、名駅地区の勢いに押されぎみだったが、20年以降は、中部日本ビルディング(中日ビル)の建て替えや丸栄の跡地再開発など、複数の開発案件が控えている。(友田雄大)