12月の4Kテレビ放送の開始まで、あと2カ月を切った。家電メーカーの多くは、専用のチューナーを内蔵したテレビの発売を今秋から始める。ただ、当初は4Kに対応した番組も出そろわず、2011年の「地デジ化」の時のような特需は見込んでいない。 4K放送は画素数が今の放送の4倍あり、臨場感のある映像が楽しめる。NHKと民放キー局などが12月1日から、BS・CS計16チャンネルで始める。各社が11年ごろから「4K対応」として販売してきたテレビには、専用のチューナーがついておらず、別途買う必要がある。 シャープは9月末、このチューナーを内蔵した液晶テレビ2機種を11月に売り出すと発表した。60型で税抜き28万円前後、50型で同20万円前後の見込み。スマートTVシステム事業本部の加藤直樹本部長代行は「国内シェアナンバーワンをめざす」と意気込みを語った。 チューナー内蔵型は、中国家電大手・ハイセンスの傘下に入った「東芝映像ソリューション」が6月に先駆けて発売し、今は11機種をそろえる。三菱電機も、録画機能をつけた58型の商品を同34万円前後で10月18日に売り出す。一方、パナソニックは放送が始まった後の来年1月に発売する予定。ソニーはまだ「検討中」としている。 各社の足並みがそろわない理由について、業界関係者は「各メーカーともテレビにあまり力を入れなくなっているのに加え、地デジの時のように一気に切り替わるわけでもない」と話す。 今回の4K放送は衛星放送のチャンネルが新たに増えるだけで、地上波が見られなくなるわけではない。地上波がアナログからデジタルに切り替わった時のような期待は各社ともない。 放送する側の足並みもそろわない。NHKは大河ドラマを含めて原則、専用の機材で制作した番組を流すとするが、民放は機材の価格が高いことや人員の問題もあって対応が追いつかない。TBS系では全体の7~8%、テレビ東京系でも来年1月段階で13%程度にとどまる見込みだという。 12月1日には4Kよりもさらに画素数が4倍多い「8K」の放送もNHKで始まる。対応テレビは、現状ではシャープが販売しており、チューナー内蔵型も12月までに売り出す予定だという。(岩沢志気) |
チューナー内蔵の4KTVが続々 放送開始まで2カ月
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