サッカー日本代表は16日夜、国際親善試合ウルグアイ戦(埼玉)に臨む。森保一監督から新主将に指名されたDF吉田麻也(サウサンプトン)は、W杯ロシア大会後初めての先発出場が濃厚。「自分が信じる形でチームを引っ張りたい」と力を込める。
15日の練習後、主将に任命された心境を問われた吉田は苦笑いを浮かべた。「もうその話を聞かれなくてすむのは正直、ほっとしている。この3カ月、会う人、会う人その話ばかりで、しんどいなと思っていた」。2010年から日本代表を主将として引っ張ってきたMF長谷部誠(フランクフルト)がW杯後に代表引退を表明。“ポスト長谷部”の有力な候補として30歳の吉田を推す声は本人の耳にも届いていた。
国際Aマッチ86試合出場は、今回招集された中ではDF長友佑都(ガラタサライ)に次いで2番目。W杯には14年、18年と2大会連続で守備の要として出場しており、クラブでは10年から欧州でプレーを続ける。森保監督は「代表の中でもトップクラスの経験の持ち主。向上心を持って日々の準備からピッチ内で全力を尽くし、まわりとのコミュニケーションを取っている」と主将に選んだ理由を説明した。
今回の合宿で吉田は、ピッチの外でも積極的にコミュニケーションを取った。9月のコスタリカ戦で主将を務めたMF青山敏弘(広島)らベテラン陣にチームの雰囲気作りについて質問。食事会場では若手選手の近くに座り、サッカー以外の話でも積極的に相談に乗った。20歳のMF堂安律(フローニンゲン)は「オンとオフの切り替えがすごい。(練習で)ピッチに立った時のピリッとした雰囲気は、言葉に出さなくても出ている」と語る。
ウルグアイはW杯8強の強豪。世界で戦ってきた経験を生かすには格好の相手だ。吉田は「ピッチ内でのプレーを新しい選手に見せるのは初めて。チームメートにも認めてもらうプレーをしたい」。最終ラインからチームを引っ張る。(岩佐友)