3日前のチリ戦から先発を6人入れ替えた。出番を待っていた選手に森保監督が求めたのは第1戦と同じ、「まずは球際の攻防で勇気をもってチャレンジすること」。その上で、日本は第1戦の反省もきちんと生かしていた。
修正を施したのは、選手間の距離だ。攻守ともに互いに助け合える位置を保った。DFからFWまでの間を狭くして、こぼれ球を拾い、ボールを動かす。
先制点は自陣深くで短いパス交換をしたあと、柴崎の長いパスに三好が抜け出した。2点目は長い距離を走って中島を助けた杉岡のクロスから。最後に三好がこぼれ球を押し込んだ。「個人の頑張りをチームの力として発揮しよう」。監督の言葉を形にした。
2度のリードをふいにしたが、チリ戦と違ったのは終盤の試合運びだ。
やみくもに前に出て、後半35分過ぎに2失点を重ねた教訓を生かした。勝ち越し点をうかがいつつも、ゴール前まで下がり、割り切った守りで猛攻をはね返した。攻守で緩急をつけた柴崎は「最後は勝ち点1を拾おうと。試合の流れに合わせられた」と話した。
経験ある川島と岡崎の先発がチームを落ち着かせたが、短期間で世界のトップ級から吸収してしまう速さは若さゆえなのだろう。
森保監督いわく、「試合後の選手の表情を見ても、引き分けた悔しさのほうが上回っていた」。少し大人になったチームが、自信と1次リーグ突破の可能性を膨らませた。(編集委員・潮智史)