11月6日に投開票される米中間選挙まで、2週間あまりとなった。トランプ大統領は、上下両院で与党・共和党の過半数を維持するため、精力的に全米を回る。ただ、トランプ氏の「岩盤支持層」は底堅いものの、人気には陰りが出始めた。世論調査では野党の民主党がリードし、下院では逆転する可能性がある。
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「この選挙の選択肢は明白だ。民主党は国境を緩め、犯罪者を入国させる。民主党は悪党(mob)を作る。共和党は雇用(job)を作る。そうだろ!」
ロッキー山脈の山並みを背景にトランプ氏が叫ぶ。わずか人口7万人足らずの米北西部モンタナ州ミズーラ。会場となった空港近くの格納庫で歓声が沸き起こった。会場周辺は5時間前から渋滞が起きた。
「ここの空は本当に大きく美しい。しかし、急進的な民主党は大増税し、我が国を信じられないような社会主義国に、ベネズエラのような国にするぞ」。この日も演説では、話があちこちに飛ぶ、いつもの「トランプ節」が炸裂(さくれつ)した。
ところが、演説が始まって約30分後、会場を後にする人々が出始めた。大工のアレックス・グレイソンさん(26)は「米国を変えてくれたトランプ氏を一目見たかった。でも、発言はもうテレビで聞き慣れているから。帰りも大渋滞にはまるのはゴメンだ」と足早に駐車場へ向かった。
トランプ氏は大統領就任後も月1、2回、キャッチフレーズ「米国を再び偉大にする」の頭文字をとった「MAGAラリー」と称する選挙演説を続けてきた。
今年8月からはピッチがあがり、8、9月は各4回。10月は予定も含めると14回に跳ね上がった。トランプ氏陣営は「歴代で一番、中間選挙の応援に入る大統領だ」と誇る。
この演説集会に異変が起きてい…