日本政府の個人情報保護委員会は22日、大規模な個人情報の流出が相次いでいる米フェイスブック(FB)に対して、個人情報の適切な取り扱いや、再発防止策づくりなどを求める行政指導をした。同委員会がFBに行政指導をするのは初めて。
FBをめぐっては今春、2016年の米大統領選中に最大8700万人分の個人情報が英選挙コンサル会社に流出していたことが発覚。日本の利用者も最大で約10万人分が漏れた可能性がある。またFBの「いいね!」ボタンがあるウェブページを閲覧すると、ボタンを押さなくても個人情報がFBに自動で送信される仕組みが問題とされている。同委員会はこれらの事案について、本人同意の取得や削除要求への適切な対応などをとるようFBに求めた。
また先月末にも、不正アクセスによって個人情報が流出したことが発覚。2900万人に影響し、日本の利用者も含まれる可能性がある。この件について委員会は、原因究明や再発防止策の策定などを求めた。
行政指導を受け、FBは「今後も、プラットフォームの不正使用が起こった場合には、利用者の皆様へのご報告を適切に実施し、個人情報保護委員会および各国の規制機関と協力いたします」とするコメントを発表した。
FBは全世界で22億3千万人(6月末時点)の利用者を抱えるネット交流サイト。日本でも約2800万人の利用者がいる。(篠健一郎、宮地ゆう)