トランプ米大統領は22日、11月6日の中間選挙までに、中間層の個人の所得税について10%の減税案を示す方針を明らかにした。ただ、実現できるかは選挙の結果次第で、選挙をにらんだ有権者向けのアピール色が強い。
トランプ氏はホワイトハウスで記者団に、「中間層の人々に向け、すでに実施した減税に加え10%の減税をする」との方針を述べ、減税案を「来週から再来週のどこかで示す」とした。
ただ、中間選挙では特に下院で野党の民主党が逆転する可能性があり、その場合、追加減税案の議会通過は難しい。
トランプ政権は2017年末に成立させた税制改革法で所得税の税率を引き下げたが、25年までの時限措置にとどまっていた。与党共和党は9月、個人所得減税の恒久化を柱とした税制改革の「第2弾」の法案を出したが、実現のめどはたっていない。
税制改革法では法人税率も35%から21%へと大きく引き下げ、米経済の好調をもたらしているものの、将来の財政悪化への懸念も強まっている。(ワシントン=青山直篤)