ドイツのメルケル首相は25日、サウジアラビアのサルマン国王と電話で会談し、同国のムハンマド皇太子の関与が焦点となっているサウジ人記者ジャマル・カショギ氏の殺害事件を非難し、迅速な真相解明を改めて要請した。ドイツはすでにサウジへの武器輸出の凍結を決めているが、これに続いて「さらなる措置を検討している」と伝えた。
不明記者、生きたまま切断か サウジ見解と異なる可能性
独首相府によると、メルケル氏は事件を「最大限厳しく非難」し、真相が明らかにされない限り、「他国とともに適切な措置を講じる用意がある」と伝えた。事件を受けて、ドイツはサウジへの武器輸出を今後凍結するほか、政府がすでに承認した輸出分についても凍結するか検討するとしている。
一方、サウジ国営通信によると、ロシアのプーチン大統領もサルマン国王と25日に電話会談した。サルマン国王は事件の捜査について説明。プーチン氏は、現在進められている捜査の透明性などに信頼を置いていると表明したという。(ベルリン=高野弦、リヤド=高野裕介)