カタログ通信販売「ベルメゾン」の不振が続く千趣会は26日、星野裕幸社長(58)が責任をとって11月1日付で顧問に退き、梶原健司取締役(57)が社長に就くと発表した。構造改革で約280人の希望退職者を募ることも正式に発表。昨年の134人に続き、大幅なリストラを進める。
千趣会は、2015年12月期から3年連続で売上高が減少し、18年12月期はさらに前年比10・7%減に落ち込む見通しだ。純損失は90億~103億円(前年は110億円の赤字)になりそうだといい、2年連続で大幅な赤字となる。アマゾンやゾゾタウンなどインターネット通販の急成長に伴い、主力のカタログ通販が低迷したためだ。無料で配布していたカタログの発行部数を減らしてコストを削ったものの、「減らしすぎて従来の顧客も離れてしまった」(千趣会広報)。
昨年に続いて、主に45歳以上の社員を対象に希望退職を募る。不動産についても見直し、大阪本社は来年1月に近くのビルに移す予定だ。「社員が減っており必要性がない」として、現在の本社ビルは売却する。
新社長に就く梶原氏は、カタログ通販の衣料品を長く担当し、ネット通販や婚礼、保育など新規事業にも携わった。組織の立て直しや収益の改善が求められている。(久保田侑暉)