山口県の周防大島(周防大島町)と同県柳井市を結ぶ大島大橋に貨物船が衝突し、送水管が破断した事故で、第6管区海上保安本部は2日、貨物船の外国人船長(44)ら3人を業務上過失往来危険容疑で山口地検岩国支部に書類送検し、発表した。3人の認否は明らかにしていない。
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海保によると、船長と2等航海士(26)、甲板手(28)の3人は10月22日午前0時半ごろ、大島大橋の橋桁にマルタ船籍の貨物船「エルナ・オルデンドルフ」(2万5431トン)を衝突させ、橋に敷設した送水管などを切断して海面に落下させ、船の往来に危険を及ぼした疑いがある。
事故当時は干潮に近く、海面からの橋の高さが約33メートルだったのに対し、船は最も高いマスト部分で、海面から約40メートルあった。
海保は、船長らが操舵(そうだ)室にいたが、事前に橋の高さを把握しないまま衝突したとみている。船はその後、広島県の呉港沖まで航行していた。船長は関係者に電話で連絡しており、海保は意図的な逃走ではなかったとみている。(藤牧幸一、井上怜)