中米ホンジュラスから米国入国を目指している数千人規模の「移民キャラバン」と呼ばれる一団について、トランプ米大統領は1日、米ホワイトハウスで記者団に対し、移民の入国を制限する措置をとる考えを明らかにした。国境地帯の難民申請できる場所を制限する。不法入国を阻むため銃器を用いた武力行使をする可能性まで示唆した。
米国の移民国籍法では、いかなる場所から入国しても移民は難民申請ができるようになっている。この手続きを見直し、不法入国を取り締まるため、国境検問所など合法的な入国地点から入国した移民だけに難民申請を認めるという。来週中にも大統領令を出す。トランプ氏は「難民申請を求める移民たちは合法的に入国しなければいけない」と語った。
また、国境に派遣された米軍に投石すれば、「我が軍は応戦するだろう」と警告した。トランプ氏は、1万~1万5千人規模の米軍派遣を表明している。ただ、米軍は米国内では議会の承認なしに警察権を行使できないため、移民たちと対峙(たいじ)するのではなく、フェンスなどを構築する任務につくとみられる。
トランプ氏のキャラバンに対する強硬姿勢は、6日の米中間選挙を目前に、共和党や共和党支持者から歓迎されている。トランプ氏は1日、記者団に「政治的な理由はない」と強調したものの、野党・民主党など反対勢力からは「危機をあおっている」という批判も根強い。
キャラバンは現在、メキシコ南部を通過中で、米国境に到達するまでは数週間かかるとみられている。(ワシントン=園田耕司)