台風21号により被災した大阪市浪速区の通天閣で1日夜、中断されていたライトアップが再開した。「大阪のシンボル」に2カ月ぶりに赤や青の光がともると、見物客らから歓声がわいた。
運営する通天閣観光によると、大阪市で最大瞬間風速47・4メートルを記録した台風21号が西日本を襲った9月4日、日立製作所のネオン広告の一部や天気予報が表示されなくなり、翌日から点灯を取りやめた。飛来物によるネオン管の破損や、雨水による機器の故障とみられるという。
通天閣がライトアップを始めた1957年以降、災害による消灯は初めて。再開についての問い合わせが、連日寄せられたという。近くの会社で働く黒川俊二さん(60)は、「通天閣が真っ暗だとみんな元気がないように見えた。この輝きがあってこその新世界や」と満足げだった。(細見卓司)