シナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所)で10月27日、11人が銃撃で殺害された事件があった米ペンシルベニア州ピッツバーグ。トランプ大統領の排外主義的な言動が分断を生んだと批判されるなか、人々はどのような思いで一票を投じたのだろうか。中間選挙の日、私はこの街を訪れた。
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「ヘイトよりも強くあろう」。こう記した標語が至る所で目についた。礼拝所に最も近い投票所を探すと、消防署の一角に設けられていた。
「投票をする時、涙がこみ上げてきた。かつてないほど大事な選挙だと思った」。インテリアデザイナーのデブラ・ペイコーさん(64)は力を込めた。
「ここで起きた悲劇に本当に対応してくれる政治家が必要なのだ」。ユダヤ系ではない。だが、「礼拝所だけでなく、地域社会が攻撃されたのだ」と銃規制の必要性を私に訴えた。
デブラさんは「議会が変わることで、少しでも傷が癒えることを願っている」と語る。夫のジーンさん(67)は「人々はトランプ氏の憎悪や分断をあおるやり方に我慢ができなくなってきている」と話す。夫妻は「結束が大事だ」とし、「私たちは(人種や宗教が)違うということで恐れはしない」と語った。
選挙管理のボランティアをしていた内科医のハナ・シャフッドさん(47)にも話を聞いた。「前回の選挙より2倍以上の人が投票に訪れている」という。「悲劇の結果、トランプ政権は憎悪を広めていると人々が気づいた。政治の流れを変えようと出てきたのです」と語った。「宗教も地域も違う多くの人たちが、今回の事件でユダヤ人社会への支持に集まった。非常に大事なことだ。今の政治状況がすべての社会の人たちに影響があると気づいたのだ。我々は支え合う必要があるのだ」と語った。
投票を終えた多くの人たちが、封鎖されたままの礼拝所前に立ち寄っていた。
しばらく立ち尽くしている男性…