神戸市が2010年から続けてきた段ボール6400箱分(4万1千点)の阪神・淡路大震災の関連文書の整理が終わった。その作業の終盤、国内外から寄せられた励ましの手紙や折り鶴などが入った段ボール11箱が見つかった。市では「被災地を勇気づけようとした人たちの思いがわかる貴重な資料」として改めて展示を検討、永年保存することにしている。
【特集】阪神大震災
伝えていく、私たちが 阪神大震災23年
市は1995年1月の阪神大震災関連の公文書を永年保存するため、整理をしてきた。励ましの手紙などは今年初め、市内のホテルにある市所管の倉庫の中から見つかった。
「私達も(94年12月の)三陸はるか沖地震という強い地震を経験しました。でも兵庫県南部地震(阪神大震災)はとても比べものにはなりません。そこで文房具などを集めて送ることにしました。少しでも役にたったらと思います」
手紙を書いたのは青森県八戸市のケアマネジャー下平(しもたい)絵美さん(34)。当時は同県三沢市立上久保小学校5年生で、担任の先生から「自分たちで何ができるか考えよう」と呼びかけられた。同級生と相談し、鉛筆やノートを持ち寄って神戸に送ったことを覚えている。
手紙には「テレビを見ていると涙がじわじわと出てきそうです。のりこえて、がんばって下さい」と書いた。「神戸は知らない場所だったけど、手紙を通じて人の痛みについて考えることができたと思う」と振り返る。
広島県三原市(旧本郷町)の小5女児は便箋(びんせん)に「わたしは兵庫県の地しんをひとごとだなんて思いません。だから、できるだけのことをやりたいと思います」とつづり、缶詰とともに神戸に送った。
熊本県山都町の児童はメッセージカードに鉛筆でこう書いた。「じしんはこわいですね。テレビでは、10年後には熊本にじしんがくるといっているのでこわいです。またくるかもしれませんので、きをつけて下さい」
米国や豪州など海外からも手紙は届けられた。米国オレゴン州の児童は「かぞくはだいじょうぶですか」「しんぱいしています」と日本語で書いた。
寄せられた手紙や千羽鶴、寄せ…