鹿島は12日、ロボット技術を試験的に活用する建築現場を報道陣に公開した。2019年秋までの工期で、18項目の先端技術・システムを試す。働き方改革の一環といい、25年までに作業工程の半分をロボットが担うことをめざす。
公開されたのは、名古屋市中区錦2丁目の鹿島伏見ビル(仮称)の建築現場。自社物件のため、試験的に技術を導入する実験拠点に選ばれた。技術的に難しいとされる鉄骨の柱と梁(はり)の部分を上向きに溶接する作業では、ビル内の585カ所すべてをロボットが担った。人が作業するより2割程度のコストカットが確認できたという。
鹿島は今春、ロボットによる生産性向上などを掲げた「スマート生産ビジョン」を策定。100余りの工程作業の半分をロボットとともに作業することで、働き方改革をすすめる。押味至一(おしみよしかず)社長は「このビルを情報発信に使い、他の建築現場にも水平展開していきたい」と話した。(北見英城)